連合王国 2014 9 20
日本人は、一口で「イギリス」と言っていますが、
正式名称は、「the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland」です。
つまり、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と言います。
ただし、スコットランドの独立問題がニュースになったので、
「the United Kingdom of England,Scotland,Wales and Northern Ireland」と書いた方が、
その実態をよく表しているかもしれません。
私の机の上には、1830年に製造された、
クロムウェルの記念メダルが置いてあります。
メダルは銀貨と違って、彫刻のように彫が深いのです。
クロムウェルとは、イングランド共和国の護国卿です。
そういうわけで、スコットランドの独立問題に関して、
私は、複雑な思いで眺めています。
世界には、ひとつの国なのに、独立性を持った地域があるのです。
たとえば、アメリカのテキサス州です。
私の記憶違いかもしれませんが、
確か10年ぐらい前に、州の庁舎に、
国旗も掲揚すべきか、州の旗だけにすべきか議論になったと聞いたことがあります。
かつて存在し、今も実質的に存在する共和国、
それが、「テキサス共和国」です。
テキサス州も、住民投票をして、アメリカからの独立を問えば、
世界の注目を集めると思います。
共和国 republic 2004 7 9
かつて存在し、今も実質的に存在する共和国があります。
それが、「テキサス共和国」です。
おそらく、アメリカの東海岸に住む人たちにとっても、
西海岸に住む人たちにとっても、
「テキサス共和国」は、異質な存在だと思います。
ここでは、「テキサス共和国」の歴史の一部を見てみましょう。
おそらく、「テキサス共和国」の人たちは、怒るかもしれませんが、
ここでいう歴史とは、あえて、弱者から見た歴史です。
そもそも、歴史というものは、いつも正しいとは限りません。
なぜならば、歴史とは、勝者が書くものであり、
敗者には、歴史を書く権利がありません。
しかし、ここでは、あえて、敗者から見た歴史を書きます。
これは、ルイジアナが、やっと、アメリカの領土となった頃の話です。
その当時のアメリカ人は、メキシコとの国境を無視して、
多くの人が、次々と、テキサスに入植していったのです。
歴史には、国が発展する時は、必ず、領土も発展するという法則があります。
ですから、テキサスに入植したことも、歴史法則から見れば、当然だったでしょう。
しかし、メキシコから見れば、
アメリカ人が、勝手に入植してきたので、当然、怒るでしょう。
こうした入植者を排除しようと考えるわけです。
これは、当然、メキシコとの戦争になりました。
多くの人は、有名な「アラモ砦の戦い」として記憶にあるでしょう。
この戦争で、アメリカ人は、多くの犠牲者を出しながらも、
テキサスの独立と、アメリカへの合併を勝ち取りました。
この当時は、「国が発展する時は、必ず、領土も発展する」という法則を、
「マニフェスト・ディスティニー」という思想が、理論的に説明していたのです。
この思想は、アメリカの領土は、神から与えられたもので、
未開発の地域は、アメリカによって併合される運命であるという考え方です。
しかし、このような思想は、アメリカの発展によって、解消されたはずです。
つまり、アメリカが、地域国家から国際国家になっていく過程で解消されたと思っています。
アメリカが、古い時代へ先祖帰りをすることはないと思っています。